西洋占星術・星占い

西洋占星術とは~西洋占星術の起源と日本との関わり

西洋占星術は、古代バビロニアを起源とし、星と惑星の動きが人間の運命に影響を与えると考える占いの一種です。この占星術は、紀元前2,000年頃から記録が残っており、ギリシャ、ローマ、アラブ諸国を経てヨーロッパへと伝わり、現在も世界中で広く利用されています。西洋占星術は、日本にも影響を与え、現代では「12星座占い」としてポピュラーです。

 

1. 西洋占星術の起源

西洋占星術は、古代バビロニア(現在のイラクあたり)で始まったとされています。紀元前5世紀には、バビロニアの占星術がギリシャに伝わり、哲学者プラトンやアリストテレスの影響で宇宙と人間の関係を解釈する学問としても発展していきました。

紀元前1世紀ごろ、ギリシャとエジプトの文化が交わるアレクサンドリアで、惑星の位置と人間の運命の関係性を体系化する占星術が生まれ、ここから「12星座」や「黄道十二宮」という概念が発展します。この時期の占星術は、天文学的な知識を用いたもので、のちにプトレマイオスが『テトラビブロス』という書物に体系化し、西洋占星術の基礎を築きました。

 

2. 西洋占星術と世界との関わり

西洋占星術は、アラブ圏を経由して中世ヨーロッパに広まりました。特に、イスラム黄金時代には占星術が盛んに研究され、数学や天文学の発展とともに高度な計算方法が導入されました。この知識は、十字軍やイスラム文化を通してヨーロッパに伝わり、ルネサンス期には学問の一つとして受け入れられ、王侯貴族の間で人気を博しました。

近代になると、天文学が科学として独立し、占星術は迷信とみなされる傾向が強まりますが、19世紀末の神智学運動や、20世紀のニューエイジ運動によって再び注目を集めます。現在では心理学や自己分析の手段として、西洋占星術は幅広く活用されています。

 

3. 西洋占星術と日本との関わり

日本に西洋占星術が入ってきたのは、19世紀後半の明治時代です。この時期は、明治維新後に日本が西洋化を進め、多くの文化や学問が西洋から取り入れられた時代でした。西洋占星術も、洋書や翻訳書を通じて紹介される形で日本に伝わりますが、当時は陰陽道や九星気学などの伝統的な占術が主流であったため、すぐには一般に浸透しませんでした。

西洋占星術が本格的に日本で普及し始めたのは、戦後の1950年代から1960年代にかけてです。雑誌やメディアで「12星座占い」として紹介されるようになり、特に1970年代には若い世代を中心に人気が高まり、日常的な占いとして親しまれるようになりました。このころから、雑誌の星占い欄や星座ごとの相性占いが広まり、現在の「12星座占い」の形が定着していきました。

 

4. 西洋占星術の基本構成

西洋占星術は、太陽が1年をかけて通過する12の星座(黄道十二宮)に基づいて占います。基本的な要素は次の通りです。

黄道十二宮(12星座): 牡羊座、牡牛座、双子座、蟹座、獅子座、乙女座、天秤座、蠍座、射手座、山羊座、水瓶座、魚座
惑星: 太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星
ハウス: 12の区分に分けられた領域で、生活の各分野を示します(例:1ハウスは自己、7ハウスは人間関係など)
アスペクト: 惑星間の角度で、吉凶の影響を及ぼすとされます(例:0度はコンジャンクション、90度はスクエア)
これらの要素を組み合わせ、個人の出生図(ネイタルチャート)をもとに、性格や人生のテーマ、運勢の流れを読み解きます。

 

5. 日本における現代の占星術

日本では、占星術師による本格的な鑑定のほか、占星術を活用した書籍やウェブサイト、アプリが人気です。また、心理学的占星術(サイコロジカル・アストロロジー)も流行し、個人の性格や自己成長に焦点を当てた占いが主流になっています。

 

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