世界で広く使われている占いには、それぞれ独自の特徴と歴史があります。
世界で最も古いとされる占いは、古代メソポタミア(現代のイラク周辺)で行われた天体観測による占いです。紀元前3000年頃には既に、メソポタミアでは星や惑星の動きを観察し、それらが王国や自然現象に及ぼす影響を解釈する試みが行われていました。これが占星術の始まりとされ、特にバビロニアで発展しました。
その他、古代中国の「甲骨占い」も最も古い占いの一つです。紀元前14世紀頃の殷王朝の時代から実施されており、亀の甲羅や動物の骨を焼き、そのひび割れの形から神の意志を読み取る占いでした。甲骨占いは、現在の易占(周易)や風水の起源にも影響を与えています。
このように、世界で最も古い占いには、天体観測や甲骨占いのように自然や動物の骨を使って未来や神の意志を読み取ろうとする占いが多く、どちらも古代の文化に根ざしており、長い歴史の中で様々な形で受け継がれてきました。
いくつかの代表的な占いとその起源を紹介します。
1. 西洋占星術(アストロロジー)
特徴: 星や惑星の位置と動きによって人間の運命や性格を予測します。ホロスコープと呼ばれる円盤上に天体を配置し、これをもとに未来や性格、運勢を読み解くことが一般的です。西洋占星術は太陽、月、星座、惑星などが影響を与えるとされ、「12星座占い」として日常的な運勢を占う手法も知られています。
起源: 約4,000年以上前、メソポタミアで天体観測が始まり、バビロニアで最初の占星術が形成されました。そこからエジプト、ギリシャ、ローマへと伝わり、現代の西洋占星術へと発展しました。
2. 中国の占術(四柱推命や風水など)
特徴: 中国占術は「陰陽五行説」に基づいており、年月日や時刻、方位、自然界の要素を組み合わせて運勢を占います。四柱推命は生年月日時の干支を用いて個人の運命を分析します。また風水は、地理的な配置や環境のエネルギー(気)を見て、住環境や方位の影響を調べる占いです。
起源: 紀元前1,000年ごろには、中国で干支や五行思想が用いられていたとされています。その後、宋の時代に四柱推命が体系化され、風水も広がっていきました。
3. タロット占い
特徴: 78枚のカードから未来や潜在的な要素を占います。大アルカナと小アルカナに分かれており、カードに描かれた象徴が解釈のポイントです。過去・現在・未来を見通すリーディング方法や、特定の質問に対するアドバイスを得る手段として用いられます。
起源: タロットカードは14世紀ごろのイタリアで生まれたとされ、もともとはカードゲームとして使われていましたが、18世紀にはフランスで占いに用いられるようになりました。
4. 数秘術(ヌメロロジー)
特徴: 数字に込められた意味を使って、性格や人生の道筋を占います。名前や生年月日から特定の数字を算出し、これによりその人の運命数や本質を読み解きます。各数字がそれぞれ異なる象徴を持ち、組み合わせによって総合的に判断されます。
起源: 古代ギリシャの数学者ピタゴラスが、数字と宇宙や人間の関係性に関心を持ち、ピタゴラス学派が数秘術の発展に寄与したとされています。その後、数秘術はユダヤ教のカバラ思想にも影響を受けながら発展しました。
5. インド占星術(ヴェーダ占星術、ジョーティシュ)
特徴: 西洋占星術と似ていますが、ラグナ(上昇宮)を基準にして、ナヴァムシャチャートなどの詳細な図表を用いて占うことが特徴です。惑星の動きだけでなく、月の位置や様々な星座(ナクシャトラ)も重要な要素とされます。
起源: インド占星術は紀元前2,000年以上前のリグ・ヴェーダの中にも記述が見られ、数千年の歴史を持っています。